naanのけんすけさん

なんて、すばらしいんだろうか。
古来の人のように、自分を追及する人だ。

この前、スーパーで買い物してたら、
魚売り場の目の前で、
5歳ぐらいの女の子が一生懸命、

ニンテンドーDS」をやっていた。

魚の死んだ目とか、ウロコの付きっぷりとか、
魚にはいろんな見所があると思うのだが、
少女は、わき目もふらずにゲームしてた。

この前も、自転車でサイクリングしてた時、
交差点で、小学4年ぐらいの少年2人が、
ゲームに熱中していた。
まぁ、マリオカートとか対戦したらおもしろいし、
今のゲーム機は、ケーブル繋げなくてもできるもんな、
なんて思いつつ、よく見るとそのゲーム機は、

ニンテンドーDS
「プレステ・ポータブル」

という別機種同士だった。
2人一緒にいて、別々のゲームやってるとは・・・。

でも、その交差点をよく見渡すと、
そこにいる大人たちも、
みんな携帯をいじって下を向いていた。

カチカチッっと、あの大嫌いな音が耳につんざく。
あの音を自分で奏でるくらいなら、
独り言、言いながら歩くほうがマシだ。

子供も大人も、
やってることは案外いっしょ。

しみじみ思う。

子供には子供の人間関係があるだろうし、
学校で、先生の言うことを聞かなくてはならない。
大人には大人の人間関係がもちろんあって、
職場で、上司や客の言うことを聞かなくてはならない。

なんてことはない。
小学校に入学してから、
社会に出て、今までやってきたことは、
みんな、ほとんど一緒のことじゃないのか?

学校で習うべきことは、
国語算数理科社会とか、そういうのじゃなくて、
学校の延長線上にある「社会」に出るための、
人間との付き合い方、でしょ?

クソクラエ。

そんな言葉を口にしてみる。

小生は社会から、はみだしている。
健全な30歳がすでに経験しているべき、

「就職」「結婚」「出産」

の、どれ1つも、持っていない。
かつ、興味がない。

小生は人を見るとき、
上記の3つ以外のところを、見る。

「どんな職業で働いているのですか?」
「お相手はどんな人ですか?」
「子供は何人で何歳になるのですか?」

こんな質問は、心底どうでもいい。
小生が知りたいことは、
いままで何度も言ってきたので、
今更、言う必要はないだろう。

小生は今、「音楽」をやっているつもりはない。
「芸術」をしているつもりだ。
人から見れば、どんなに稚拙な出来であれ、
本人は芸術のつもりで創作をやっている。
芸術に上記3つのどれか1つでも紛れこんできたなら、
そこから腐敗の匂いが漂ってきて、
その匂いが好きな人間と嫌いな人間とに、別れる。

小生は匂いに敏感なので、
歩いていれば、すぐにわかる。

私がこの匂いを発してしまう時がきたなら、
私は私の芸術家たるを辞める。

全ての人間と縁を切って、
どこか遠くへ行ってしまうつもりだ。

さようなら、私の想い人。

人はいずれ、死ぬ。

from ただのこばなし